本日は、2月26日。2・26事件が起こった日ですね。
今から7年余り前、倫理法人会の講演会で、お話を聞くことが出来ま
した。このような機会を与えて頂いた倫理法人会に感謝します。
お亡くなりになる2年余り前でした。
膵臓がんを患われて講演会をされたのも最後の頃だったと思います。
渡辺和子さんは、36歳の時思わぬかたちでノートルダム清心女子大
学の学長に任命されました。悩んでいたその時、一人の宣教師が手渡
してくれたのが、「置かれた場所で咲きなさい」という短い詩だそう
です。
「置かれた場所に不平不満も持ち、他人の出方で幸せになったり不幸
せになったりしては、環境の奴隷でしかない。人間として生まれたか
らには、どんな場所に置かれても、そこで環境の主人公となり自分の
花を咲かそうと、決心することができた」述べられました。
渡辺和子さんは、1927年(昭和2年)2月、教育総監・渡辺錠太郎
の次女としてお生まれになりました。
1936(昭和11年)年2月26日、渡辺和子さん9歳の時の事です
「30数名の陸軍の青年将校と兵士が朝の6時前、トラックで家に
乗りつけてきました。父が機転を利かせて、私を座卓の陰に間一髪
で隠してくれたのですけれども、将校たちは軽機関銃を据えつけて
私の目の前1メートルの所で父を惨殺して帰りました。血の海の中で
父は死にました。その寝室には、私と父しかいませんでした。かくし
て私は、”父の最後を看取った、たった一人の人間となりました」
ずいぶん経って、父を殺した側の兵卒と対面したそうです。
許そうと努力したけど、体がいうことを聞かなかったそうです。
「許さない間は相手の支配下にある。
自由になるために”思いを断ち切ること”が大切」と述べられてます。
なんとも素晴らしい。渡辺和子さん、ありがとうございました。